大阪府在住40代男性で、2021年4月から薬剤師の転職活動を始めてから思ったことを書いてみようと思います。
昨年末に退職をして、しばらく休もうと思って特に転職活動はしてきませんでした。
コロナウイルス感染が収まってきた頃に転職をしようかと考えていたのですが、3月末あたりから大阪では急激に感染が拡大していき、外出もままならなくなっていく状況で、少し様子を見ていたのですが、このままでは自身の生活が危ういと思い、4月から転職活動を始めようと思いました。
- 転職活動を始めてから気づいたこと
- 求人を探すために思ったこと
- 転職活動を終えてから思ったこと
1.転職活動を始めてから気づいたこと
4月に入ってから初めて使う紹介会社に連絡をしてみて、今の求人状況を聞いてみようと面談をしましたが、そこで今の転職環境は非常に厳しいということを聞かされました。
まあそうですよね。
昨年コロナ禍で働いているときに、緊急事態宣言が出てからは患者さんは減る一方で、病院に行く人もどんどん減っていき、業績はすこぶる悪くなっていたのは知ってました。
けれど、求人自体がなくなることはないだろうと甘く思っていたのですが、今では求人件数が以前に比べて減っているではなく、なくなってきているのが現状。
給料面に関しても、これまで転職していくときには、ここ10年間右肩上がりになってきたのですが、今の現状は2008年くらいの水準に戻ってしまった感じ。
年初の予定では、しばらくは派遣薬剤師として働きながら、他の勉強をして3年後に違う仕事をしていこうと目論んでいたのですが、今のご時世、派遣薬剤師の求人は全くないとのこと。
それで食いつなぐことを諦めざるを得なくなりました。
これまで派遣薬剤師で働いていた方も社員やパートとして働いているので、それで正社員の求人が出てこなくなっているのが現状。
また、この時期は新卒の薬剤師がドラッグストアや大手グループだと入ってきているので、それで中途採用枠がなくなっている。
それでも以前なら、GW明けくらいに求人が出てくることもあったのですが、それでも若くて安い賃金の人がいたら、そちらを選びますよね。
先日の2020年の景気感でも2008年のリーマンショック以来の落ち込みだと言われていたし、大学卒の就職内定率も96%で10年ぶりの悪化。
転職活動をしてからようやく気づいたことは、世の中思っていた以上に景気が悪いということ。
景気にはあまり左右されないと言われてきた薬剤師市場でしたが、都市部ではかなり飽和しているので、給料面では自分のようなベテラン勢には今までのようにはならないのが現状。
派遣薬剤師として、全国を回ってみようかなという野望も以前から持っていたのですが、今では住居込みでの募集がなかなか出ないという話。
それでは全国を転々としていくことも難しいのが現状。
2.求人を探すために思ったこと
大体いつもは紹介会社に登録をしたら、どんどん求人票を紹介されてきたけれど、全く求人の紹介が滞ってしまって、GWに突入している間にこれは非常まずい状況になったと思い始めました。
このままニート生活が続けば、さすがに危ういと感じ始めたので、ハローワークの求人検索も見始めて登録を進めていこうと思ったのと他の紹介会社にも聞いてみようと思い始めました。
GWの連休中にハローワークの検索は始めていたのですが、その際でも思ったことは、求人件数がかなり少ない。
出ているところも知っているところがあったりして、思うような求人が見つからない。
全国で検索をかけても、ほとんど見通せるくらいの件数。
年収維持か下がっても生活できる水準は確保していきたいと思っても、そのような求人すら見つからないのが現状。
とりあえずハローワークに出向くように資料は作って、とりあえず、希望する薬剤師の求人を見つけるには、どうしたら良いのかを考え出しました。
前職では地方都市から地元の大阪に戻ってきて就職をしたので、できるだけ引越はしたくないのが現状でした。
しかしながら、今の状況ではそれも難しくなってきたと思ったので、行ける範囲を広げてみて探すことにしました。
となると、全国での求人が探せるところに当たってみるしかないと思いました。
連休中に真っ先に思いついたのが、ファルマスタッフさん。
日本調剤さんの紹介会社で全国に営業所があり、全国の派遣求人も多く取り扱っていたので相談だけでも行ってみようと思いました。
あまり紹介会社の掛け持ちは良くないと思うのですが、少しだけ思ったことは、ひょっとして紹介会社によって紹介料の利率が違っていて、もしかすると最初に登録したところが紹介料が高くて企業さんから避けられているんじゃないのかなと思ってしまって。
業績が良くないから、企業側からしてもできるだけ出費は抑えたいと思っているはず。
実際に昨年までいた会社は、そういう感じが見て取れました。
連休中に色々考えていて、結局のところ、以前に2回使ったことのある全国の薬局を紹介できる会社に現状を聞いてみようと連絡をしてみました。
そしてまたすぐに紹介会社に面談しに行ってみて、状況を確認しました。
話してみて実際に大阪での条件の良い求人はほとんどないとのこと。
あとは、条件を求めるならどこまでの地方都市まで行けるのかという自分の選択になってきました。
話を終えてから、もう今の家から通えるところで現状維持は厳しいと思いました。
まあ転職回数が多いと面接まで行けないところが今は増えているそうです。
3年前とは状況が全く違ってきています。
薬剤師があふれてきているので、年収を下げてでも働くことを決心するか?収入を求めて薬剤師の少ないエリアに行くか?のどちらかを選ばないといけなくなりました。
3.転職活動を終えてから思ったこと
ずっと先週はどちらの決断をしようかなと考えていたのですが、たまたま良いタイミングで良い条件のところの面接の話を頂いて、それは当然のことながら今住んでいるところからはかなり離れているところです。
けれど、1ヶ月少し転職活動をしてきて、これほど厳しいことは今までなかったので、とりあえず面接だけにいけるところは行っておこうと。
そしたら運良く内定をもらうことができました。
住んだことも行ったこともない地域だけど、今の現状からすれば、とても幸運だったと思います。
これまで何回も転職をしてきましたが、結局のところ、転職はタイミング。
良いタイミングで相談しに行って、良いタイミングで求人があって、そのタイミングで決断できたことも良かったと思います。
ただ今回は、求人自体がなかったので選択できる余地はありませんでしたが・・・
前だとタイミング良く色んな求人を見ながら選択することができたけれど、それも難しくなってきているのが現状です。
求人を探す手立てとして、やはり紹介会社に登録して条件を話している方が見つかる可能性は高いです。
その中でできるだけ求人件数を持っていて、長年紹介しているところを選ぶのが賢明です。
今回マイナビさんを使ったわけではないのですが、以前に紹介してもらったことがあり、やはり求人件数も多いです。
どこの紹介会社でも今は求人が減っているので紹介すること自体が厳しいのですが、今回の自分のように長年紹介実績があるところだと自分だけでは到底見つけることができなかった求人でも紹介してもらい、転職成功まで導けることができます。
そして重要なのは、なぜこの時期でも求人を出しているのかの内情を聞けるところです。ミスマッチを避けるためには重要なことだと思います。
ただ入ってからじゃないと分からないことも実際には多いですが・・・
先にも書いたのですが、紹介会社を通して転職すると紹介料が発生します。
業績が厳しいので払いたくはないと思うので、直接ホームページを見て求人連絡をしようかとも思いました。
以前に好条件で求人が出ていたところも見てみたのですが、それでも現在募集はしていませんというところが多かったです。
それだけ厳しいんだなあと実感しました。
今回の転職活動で思ったことは、今、好条件で働いている方は転職しない方が良いです。同じ年収面で探すことはとても難しいと感じました。
ここ10年間はずっと薬剤師で働いてきて、薬学部が6年制に移行するときに年収面では少しバブルが来ていたように思います。
その条件で今働いているなら、辞めない方が良いです。
とはいえ、10年前には年収面での限界だと言われてきた水準に戻っただけのようにも思えます。
たとえコロナ禍が終息したとしても、これから先も年収を上げることは難しくなっていくと思います。
先日のニュースでも、
厚生労働省は2021年4月26日、「第8回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」を開催し、2045年までの薬剤師の需給推計案を公表した。在宅医療や対人業務、病棟薬剤業務などの充実によって需要が増えると仮定したとしても、供給数が上回ることが予想され、45年には最大で12万6000人、少なく見積もっても2万4000人が過剰になるとの見通しが示された。
24年先の話で自分は生きていないかもしれないけれど、薬剤師は過剰になってきます。
過剰になれば、当然のことながら給料は減っていくでしょう。
長々と書いてきましたが、とりあえず引っ越ししなくてはいけなくなったので、準備に取りかかります。ブログの更新が滞るかもしれませんが、現状生き抜いていくにはしょうがないです。。
少しでも薬剤師転職の参考になれば幸いです。