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6月7日は緑内障を考える日

6月7日が緑内障を考える日ということを今朝初めて知りました。

緑内障に関する啓発や情報発信、患者やその家族との交流と情報交換などを目的として活動する緑内障フレンド・ネットワークが、2005年に「りょく(6)ない(7)しょう」の語呂合わせから制定しました。

 

それで緑内障について調べておくことにしました。

 

緑内障は視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を抑制しうる目の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。視野障害は非可逆的であり、いったん障害された視機能を治療で回復させることはできない。

 

◆種類

1. 原発性開放隅角緑内障(POAG)
   最も一般的なタイプで、徐々に進行します。
   隅角が開いているにもかかわらず、房水(眼内の液体)の流出が障害されて眼圧が上昇します。
   自覚症状がほとんどなく、視野欠損が進行して初めて気づくことが多いです。

2. 閉塞隅角緑内障(AACG)
   突然の眼圧上昇を伴い、急激に症状が現れます。
   強い眼痛、頭痛、吐き気、視力低下などを引き起こします。
   緊急治療が必要です。

3. 正常眼圧緑内障(NTG)
   眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず、視神経が損傷されるタイプです。
   他の要因(血流障害など)が視神経に影響を与えると考えられています。

4. 続発性緑内障
   他の病気や外傷、薬物使用が原因で眼圧が上昇するタイプです。

5. 先天性緑内障
   生まれつき房水の流出路に異常があるため、幼児期に発症します。

 

◆原因

緑内障の主な原因は眼圧の上昇ですが、以下の要因も関与することがあります:
遺伝的要因:家族歴があると発症リスクが高まります。
年齢:40歳以上でリスクが増加します。
近視や遠視
糖尿病、高血圧
血流不全

 

◆症状

初期段階では自覚症状がほとんどありません。進行するにつれて以下の症状が現れます:
視野欠損:中心部の視力は保たれるが、周辺視野が狭くなります。
視力低下
視野のぼやけ
視野の暗点

 

◆診断

緑内障は以下の方法で診断されます:
眼圧検査:眼圧の測定
視野検査:視野欠損の確認
視神経の検査:視神経乳頭の損傷を評価
眼底検査:視神経の詳細な検査

 

◆治療

治療は主に眼圧を下げることを目指します。以下の方法があります:
薬物治療:眼圧を下げるための点眼薬や内服薬
レーザー治療:房水の排出を促進するためのレーザー手術
手術:房水の流出路を新たに作る手術(トラベクレクトミーなど)

 

◆予防と管理

定期的な眼科検診:特に家族歴がある場合やリスクが高い人は定期的に検査を受けることが重要です。
生活習慣の改善:バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理
眼圧管理:治療によって眼圧をコントロールし、視野の進行を防ぐ

緑内障は早期発見と適切な管理が重要です。定期的な眼科検診を受け、医師の指示に従った治療を行うことで、視力の低下を最小限に抑えることが可能です。

 

 

 

 

眼圧を下げる点眼薬は、緑内障の治療において最も一般的に使用される治療法です。これらの点眼薬は、房水(眼内の液体)の産生を減少させるか、房水の排出を促進することで眼圧を低下させます。以下に、主要な点眼薬の種類とその薬理作用について説明します。

 

1. プロスタノイドFP受容体作動薬<第一選択薬>
代表薬: ラタノプロスト(キサラタン)、トラボプロスト(トラバタンズ)、タフルプロスト(タプロス)、ビマトプロスト(ルミガン)

薬理作用: 
房水の流出を促進する。
主にぶどう膜強膜流出路を通じて房水を排出します。
副作用として、虹彩の色素沈着、睫毛の成長、結膜充血などがある。

 

2. β遮断薬
代表薬: チモロール(チモプトール)、ベタキソロール、カルテオロール(ミケラン)

薬理作用: 
房水の産生を抑制する。
β受容体を遮断することで、毛様体からの房水の分泌を減少させます。
副作用として、心肺系への影響(心拍数の低下、気管支収縮)があります。特に喘息患者や心疾患のある患者には注意が必要です。

 

3. α2作動薬
代表薬: ブリモニジン(アイファガン)

薬理作用: 
房水の産生を抑制すると同時に、房水の排出を促進する。
α2受容体に作用して、毛様体からの房水の分泌を減少させ、さらにぶどう膜強膜流出路からの排出を増加させます。
副作用として、口渇、倦怠感、局所のアレルギー反応などがある。

 

4. 炭酸脱水酵素阻害薬
代表薬: ドルゾラミド(トルソプト)、ブリンゾラミド(エイゾプト)

薬理作用: 
房水の産生を抑制する。
炭酸脱水酵素を阻害することで、毛様体からの房水の生成を減少させます。
副作用として、一時的な視界のぼやけ、目の灼熱感、苦味の感覚などがあります。

 

5. コリン作動薬(副交感神経作動薬)
代表薬: ピロカルピン(サンピロ)

薬理作用: 
房水の流出を促進する。
瞳孔括約筋を収縮させ、隅角を広げることで、シュレム管を通じた房水の排出を促進します。
副作用として、視界のぼやけ、夜盲症、頭痛などがあります。

 

6. Rhoキナーゼ阻害薬
代表薬: リパスジル(グラナテック)

薬理作用:
房水の流出を促進する。
主にシュレム管を通じて房水の排出を増加させます。
副作用として、結膜充血や眼の不快感があります。

 

複合製剤
複数の薬剤を組み合わせた点眼薬もあり、より効果的に眼圧を下げることができます。例えば、β遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬の組み合わせや、プロスタノイドFP受容体作動薬とβ遮断薬の組み合わせなどがあります。

 

まとめ
各点眼薬には異なる作用機序と副作用があります。個々の患者の状況や反応に応じて、適切な薬剤を選択することが重要です。緑内障治療の目標は、眼圧を適切にコントロールすることで視神経の損傷を防ぎ、視力を維持することです。定期的な眼科検診と医師の指示に従った治療が不可欠です。

 

<治療方針>

緑内障治療の目的はQOV(quality of vision)とQOL(quality of life)の維持である。薬物治療では、最小限の薬剤と副作用で、最大の効果が得られる方法を選択する。

眼圧下降治療での目標眼圧は病気に応じて設定する

 

原発性開放隅角緑内障(POAG)

初期 19mmHg以下

中期 16mmHg以下

後期 14mmHg以下

もしくは無治療時眼圧から20~30%の眼圧下降など

 

・プロスタンジン系点眼液はまつ毛が濃く、太く、長くなることがあるので入浴前に点眼するか、点眼後洗顔する

・オミデネパグイソプロピル(エイベリス)は、2~8℃保存だが開封後添付の遮光用袋に入れ、1ヶ月以内であれば室温保存できる

 

<参考図書>

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薬物治療に重きを置いてしまいましたが、緑内障を考える日をきっかけに少し勉強できたように思います。

仕事に出かける前には帰ったら関連するeラーニングもしておこうかとも思いましたが止めておきました。