種々雑多な独り言

趣味や興味のあることの種々雑多な独り言。

「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を読みました

今年の年初に本屋に行ったときに目に止まってようやく読み終えました。

資格試験の勉強でも日常の学ぶことでもできれば効率的により良い方法で勉強することがいいと思っていてたまに気になったときには勉強法の本を読んできましたが、この本を読むことで勉強法の本を読むことは最後になりそうです。

多くの学習に関する科学的根拠を調べられて効果が高い勉強法を紹介されています。

 

科学的根拠に基づく最高の勉強法

新品価格
¥1,584から
(2025/5/25 14:30時点)

CHAPTER1 科学的に効果が高くない勉強法

◆繰り返し読む(再読)

読んでるだけではダメなんですよね。

<学習における認知過程>
記憶する→理解する→応用する→分析する→評価する→創造する

 

◆ノートに書き写す・まとめる

とある資格試験を受けに行ったときに周りで試験前にまとめたノートを見返したりしている人が居たけれど、それってテキストで良いんじゃないのと思ってました。

新しく得た情報は参考書に書き込んで記憶に定着させる

 

◆ハイライトや下線を引く

蛍光ペンで線を引くことは昔はよくやってました。見返すときの目印として。

 

◆好みの学習スタイルに合わせる

 

CHAPTER2 科学的に効果が高い勉強法
1.アクティブリコール
アクティブリコールとは「勉強したことや覚えたことを能動的に思い出すこと、記憶から引き出すこと」
これまでの学習に関する数多くの研究から何かを記憶するためには、それを積極的に思い出す作業や、脳みそから頑張って取り出す作業こそが決定的に重要だということが明らかになっています。
インプットしてからの繰り返しアウトプット(思い出す、テストを受ける、口に出す、誰かに話す)

 

ブツブツ呟いて教えるふりをしながら書き出す白紙勉強法
覚えにくい内容や難しい内容の場合、声に出しながら描くようにする。
ただ黙読するよりも、書き出したり、ブツブツ呟いたり、声に出したりしたほうが記憶に残ることが知られていてプロダクション効果と呼ばれている。
誰かに教える、または教えようとすることで、その学習内容の理解が深まることをプロテジェ効果という。

 

2.    分散学習
そもそも人間の脳というのは、覚えたものをどんどん忘れていくようにできている。脳の海馬と呼ばれる場所は、短期記憶のうちどれを長期記憶として保管するのか仕分けする働きをしている。僕たちの脳へ入力される情報のほとんどが生きていくためには直接必要のない情報であるため、忘れるようにできている。


分散学習とは、一夜漬けのようにあるまとまった学習範囲を間隔を開けずに一度に続けて勉強することは「集中学習」と呼ばれている。
一方で、時間を開けて勉強することは「分散学習」と呼ばれている。
一度にまとめて勉強するよりも時間を分散して勉強するほうが長期的な記憶の定着が良く、この効果は分散効果と呼ばれている。


最強の勉強法:アクティブリコール+分散学習=連続的再学習


・連続的再学習の手順
まず新しい範囲を勉強するときには少なくとも1~3回、内容を思い出せるようになるまでアクティブリコール(上に書き出す、思い出すなど)をする。
1日~1週間後に、またアクティブリコールをしてみる。
この際に忘れている内容についてはもう一度知識を確認(フィードバック)し、少なくとも1回アクティブリコールする。これらを何回か間隔を開けてまた繰り返す。

 

受験生のときにはひたすらインプットをして問題形式の参考書で繰り返しアウトプットしていたのかなあと今では思っています。

資格試験の勉強法でもアウトプットが大事だとよく言われています。

仕事に関することでもインプットしただけでは使い物にならないのでアウトプットできて初めて身についていると実感できると思います。

まったく知らない新しいことはインプットから始めないといけませんがそれ以降はアウトプットしながらフィードバックするのが最良の勉強法だと再確認できました。

 

 

 

CHAPTER3 覚えにくいものを覚える古代からの記憶術
記憶術を一言で言ってしまうと、覚えにくいものを覚えやすいイメージに変換する。


ストーリー法とは、覚えたいものをイメージに変換して、ストーリー(物語)としてつなげていく、という記憶術です。

 

場所法とは、まず覚えたいものをイメージに変換し、その上で自分がよく知っている場所、例えば自宅や通学路、仕事場に「記憶の置き場所」を決めてそこにイメージを配置していく。

 

CHAPTER4 勉強にまつわる心・体・環境の整え方
・勉強のモチベーション
人間は自分に関連した情報のほうが覚えやすいという特性があります。自分に関連する情報をより効果的に処理し、記憶しやすい現象は「自己関連付け効果」として知られている。
自分との関連以外に、学習のモチベーションに影響を与えるものとして、セルフコンセプト(自己概念)がある。セルフコンセプトとは、自分自身についての理解や認識のこと。
アカデミック・セルフコンセプト(学業的自己概念)とは、「自分は数学が得意だ」「自分は文系(もしくは理系)だ」といった学業に関する自分自身についての認識
アカデミック・コンセプトが、IQ等よりも卒業後の学歴や職業に対する志向(生計を立てるためにどのような仕事をすると思うか)に影響していることが研究で報告されており、人生の選択にも大きく関わってきます。


勉強についてのモチベーションを考えるうえでとても重要な概念として、自己効力感がある。
自己効力感とは、ある目的を達成するために必要な行動を自分がどの程度うまくできるかという個人の確信の程度で、「自分にはこれができる」という感覚のこと。

 

<自己効力感に影響を与えるもの>
1.    成功体験:自分自身で課題に取り組み、成功する経験を積むことで自己効力感は高まります。
2.    代理体験:他人が何かの課題を成功させることを観察することで自己効力感は高まります。
3.    言語的・社会的説得:上司、教師や友人、親からの励ましや指示によっても、自己効力感は高まります。
4.    生理的・感情的状態:不安や緊張などの感情や、動悸などの生理的反応が自己効力感に影響を及ぼします。

学習において自己効力感を高める手段として、達成可能な小さな目標を設定し、成功体験を積み重ねていく
自己効力感を高めるために小さな目標を設定すること以外に、セルフモニタリングといって、自分の勉強の進捗状況を記録することが有効です。

 

学習に限らず、人のモチベーションを考える際に参考になる理論的枠組の一つとして、「自己決定理論」がある。
内発的動機づけは、自分が何かをする理由が、その行動自体に楽しさや興味を見出している状態のこと。
外発的動機づけは、外からの報酬や罰に反応して生じる動機づけで、行動の目的そのものの外部にある場合を指します。

 

<自己決定理論>
人には次のような3つの心理的欲求があり、これらが満たされることで内発的なモチベーションが推進される。
・自律性:他人に強制されたり圧力を感じたりせずに、自分に行動を自分で選択・決定すること
・有能感:自分が何かを上手にできるという実感や、特定のタスクや挑戦を成功させる能力。
・関係性:他人とのつながりや帰属意識を持つこと


自己決定理論では、目標設定について「外発的な目標」と「内発的な目標」の2つがある。
外発的な目標は、お金、社会的地位、評判など、他人からの評価や物質的なものを得ること。
内発的な目標とは、外からの報酬や承認を目指すのではなく、知識を深めたり、新しいスキルを身に着けたりという自分の成長、地域・社会への貢献、健康維持、深い人間関係の構築など、個人の価値観や興味に基づいて設定する目標。

 

学習におけるモチベーションや学習効果を高めるためには、外発的な目標を目指すのではなく、内発的な目標を設定するほうが良いという報告もある。

 

資格試験を受けようと思うときに先のことを考えて外発的な目標で選んでしまって長続きしないということはあると思います。

普段から継続して思っていることはどちらかというと内発的な目標の場合が多いです。

この点は少し考えを改めようと思いました。

 

中国の古典『淮南子』には「学ぶに暇あらずという者は、暇ありといえども亦学ぶ能わず(学ぶのに時間がないというものは、時間があっても学ばない)」

 

耳が痛いほど実感しています。

 

脳科学によると新しい情報に触れて好奇心を持つと、脳の報酬系と呼ばれる部分が活性化し、ドーパミンが放出されることがわかっています。
このドーパミンの放出は、新しい知識の探求を促すだけではなく、集中力を高め、新しい情報の取り込みと長期記憶への保存にも寄与します。

 

スマートフォンはあるだけで集中力を奪う

 

私達の脳が情報を最初に覚えたあと、記憶を安定させてより長期間保持するために固定というプロセスを行いますが、この記憶の固定化は睡眠中に促進されることがわかっている。
何かを記憶したあとに、比較的早く寝たほうが覚えたことを忘れにくいことを示唆する研究は複数ある。

 

<より良い睡眠のために>

アメリカ睡眠医学会は以下のことを推奨しています。
1.    一貫した睡眠スケジュールを保つ夜にする。休みでも同じ時間に起きる。
2.    少なくとも7,8時間の睡眠が取れるように、早めの就寝時刻を予定する
3.    眠くないときはベッドに行かない
4.    ベッドに入って20分経っても眠れない場合は、ベッドから出て明るい光を避けて静かな活動をする。その際に電子機器を使わないことが重要
5.    リラックスできる就寝前のルーチンを確立する
6.    ベッドは、睡眠かセックスのためだけに使う
7.    寝室を静かでリラックスできる空間にする。快適で涼しい室温を保つ
8.    夕方以降は明るい光を避ける
9.    就寝の少なくとも30分前には電子機器をオフにする
10.    就寝前に大きな食事を避ける。夜にお腹が空いたら軽くて、健康的な食べ物を食べる
11.    定期的に運動をして、健康的な食事を心がける
12.    午後や夜にカフェインを摂取しない
13.    就寝前のアルコール摂取を避ける
14.    就寝前の水分摂取を控えめにする

 

6時間以下の睡眠で仕事を行くことはできますが、勉強をいざしようと思ってもはかどらないことが多いです。

大学受験のときにはセンター試験の始まる2週間くらい前からはしっかり寝て早寝早起きをしていました。

薬剤師国家試験のときにも同じようにしっかり寝て早寝早起きで臨んでいます。

今仕事をしながらだとなかなか7時間の睡眠を取ることは難しいのですが、睡眠は普段の健康状態を維持するうえでもやはり重要だと思っています。

 

運動をすることによって海馬の細胞の増殖を促し、認知機能を向上させることが期待できる。
運動が脳に良い効果をもたらす一因として、BDNF脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質が挙げられる。
BDNFは神経細胞の成長を促したり、シナプスの形成やシナプス感のつながりを強化したりと、脳の機能にとって重要な役割を果たしている。
脳で記憶が形成されるときに、神経細胞と神経細胞の接合部であるシナプスで「長期増強」と呼ばれる情報伝達がより強く起きる変化が生じますが、BDNFはこの変化にも関与します。
1回の運動でもBDNFのレベルが上昇することがわかっていて、運動の認知機能への効果を考える際に注目されている。


アメリカの身体活動ガイドラインでは、大人だと1週間に150分から300分の中強度の有酸素運動、もしくは75分から150分の高強度の有酸素運動が推奨されている。
中強度の有酸素運動とは、早歩き、水中でのエアロビクス、自転車をゆっくり漕ぐ、庭仕事
高強度の有酸素運動とは、ランニング、テニス、水泳、サイクリング、ハイキング、縄跳び
これに加えて週2日以上の筋力トレーニングが推奨されています。
週末などに集中して運動をしても健康の効果が大きいことが確認されている。

 

有酸素運動はやっぱり必要なんだなあと今更ながら思いました。

仕事のときに結構歩くことは多く、出歩かない日が続くとやっぱり活動的にならないので認知機能を整える意味でも運動は取り入れていかないといけないと再認識しました。

 

不安や焦りなど、自分のネガティブな感情に対処するための方法としてジャーナリングがあります。
ただ起きた出来事や感情だけを記す日記ではなく、ある出来事に対する自分の感情や考えと、それに対する自分の理解や、取ろうとしている対処法について書き出す。
ジャーナリングは学習だけではなく、人生のさまざまな局面で役に立つ。

 

<悩みを解決する方法>
1.    悩んでいる事柄を詳しく書き記す
2.    それについて自分にできることを書き記す
3.    どうするかを決断する
4.    その決断を直ちに実行する

 

最近よく目にするジャーナリング

前に読んだ本にも登場していたように思ったのですが、生きていく中で役に立つ手法であると思います。

少し深堀りして調べてみようかなと思いました。

 

勉強法の本ではあるのですが自己啓発にも役立つ素晴らしい本です。

著者はYouTubeでも配信されているようです。

 

<PR>